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おみくじの順番は神社で違う|意味と結び方をやさしく解説

ivory washi 背景に painterly なみくじ箱と広がる白いおみくじの紙、傍らに木の枝に結ばれたおみくじ、朝の柔らかな光の静物、タイトル「おみくじの順番」を左上に横一行で配したアイキャッチ画像

神社やお寺で引いたおみくじ。大吉が出ればうれしいけれど、「末吉ってどのくらい良いの?」「中吉と小吉はどっちが上?」と、順番に迷ったことはないでしょうか。せっかく引いたのに、吉凶の順位が分からないままなんとなく結んで帰ってきた、という方も多いと思います。

本記事では、おみくじの順番の考え方、意味と歴史、そして引き方や結び方の作法までを、公式の情報や研究をもとにやさしく読み解きます。じつは順位には全国そろいの正解がありません。その理由が分かると、おみくじとの付き合い方が少し変わるはずです。参拝の作法から知りたい方は神社参拝の作法ガイドもあわせてどうぞ。

目次

おみくじとは何か|吉凶より「言葉」を読むもの

ivory washi 背景に painterly な広げられた白いおみくじの紙と墨書き風の薄い文字の連なり、傍らにみくじ箱、吉凶より書かれた言葉を読むものであることを象徴した画像

おみくじは、神さまや仏さまからのお告げ(メッセージ)を、漢詩や和歌の形で受け取るものだとされています。漢字では「御御籤」「御神籤」「御仏籤」などと書きます。多くの人は大吉や凶といった吉凶の結果に目がいきますが、本来いちばん大切なのは、そこに書かれている言葉の中身だと言われています。

この記事のポイント
  • おみくじは吉凶より「書かれた言葉」を読むもの
  • 順番は神社ごとに違い、全国そろいの正解はない
  • 起源は平安時代の元三大師、庶民に広まったのは江戸時代のはじめ
  • 結ぶか持ち帰るかにも決まりはなく、どちらでもよい

「吉凶」は運勢のヒント、「本文」が導き

おみくじには、大吉や吉といった運勢のしるしのほかに、これからをどう過ごすとよいかを教える一文や和歌が書かれています。さらに「願望(願いごと)」「待ち人」「失物(うせもの)」「商売」「縁談」「健康」といった、暮らしの場面ごとの導きの言葉が並んでいることが多いとされます。吉凶はあくまで入り口で、こうした言葉こそがおみくじの中身だと考えられています。

神社のおみくじと、お寺のおみくじ

おみくじは神社にもお寺にもあります。もともとの形はお寺で使われていたものが始まりだと言われていますが、今では神社でも広く授与されています。神社では和歌が書かれたものが多く、お寺では漢詩(漢文の詩)が書かれたものが多いとされますが、これも社寺によってさまざまです。どちらも「引いた人へのお言葉」という点は変わりません。

おみくじの順番に「正解の並び」はない

ivory washi 背景に painterly な2つの並びのおみくじの紙、社ごとに順序がわずかに違う様子を対比し、順位に全国共通の正解がないことを象徴した画像

おみくじでいちばん気になるのが吉凶の順番だと思います。ところが、この順番には全国共通の決まりがありません。神社やお寺によって並びも種類の数も違うのです。まずは、よく見かける並べ方を見てみましょう。

種類の数並べ方の例案内している例
6段(「吉」が大吉のすぐ下)大吉 > 吉 > 中吉 > 小吉 > 末吉 > 凶神社本庁が一例として紹介
6段(「吉」が中吉・小吉より下)大吉 > 中吉 > 小吉 > 吉 > 半吉 > 末吉福岡・筥崎宮(はこざきぐう)
7段大吉 > 吉 > 中吉 > 小吉 > 末吉 > 凶 > 大凶新潟・彌彦神社(やひこじんじゃ)が縁起の良い順として説明
32番・17種大大吉・凶後大吉・末大吉 など細かく分かれる京都・伏見稲荷大社
吉凶なし御製・御歌と解説のみ(大御心)東京・明治神宮

「吉」の位置が神社で分かれる

表を見ると、「吉」がどこに入るかで並びが変わっているのが分かります。ある神社では大吉のすぐ下が「吉」ですが、別の神社では中吉・小吉より下に「吉」が置かれます。同じ「吉」でも、社によって高い位置にも低い位置にもなるということです。一方で「中吉と小吉、どっちが上?」については、表に挙げたどの例でも中吉のほうが上です。社によって大きく変わるのは「吉」の位置の方なので、「吉」がどこに入るかは、引いた社の案内で確かめるのが確実です。

引いた社での並びを確かめる3つの手がかり

並びが社によって違うなら、あなたが引いた神社での順位を知りたくなるかもしれません。全国そろいの正解がないぶん、よその順位表を探すよりも、その場で確かめるのがいちばん確実です。次の3つを手がかりにしてみてください。

  • 授与所やおみくじ箱のそばの掲示を見る。種類の数や吉凶の並びを書いた案内が出ていることがあります。
  • その社寺の公式サイトを見る。明治神宮や浅草寺のように、おみくじの考え方を公式サイトで紹介している社寺もあります。
  • 社務所や授与所で直接たずねる。順位の並びに全国共通の公式な見解はないぶん、その社での考え方は聞くのがいちばん確実です。実際、産泰神社の神職の解説でも、順番が気になるときは直接たずねてみることがすすめられています。

伏見稲荷大社は32番のおみくじに17種の吉凶

並びだけでなく、種類の数も社によってまったく違います。よく知られているのが京都の伏見稲荷大社で、おみくじの結果の数がとても多いことで知られます。伏見稲荷大社の講社の支部である朝明稲荷社(あさけいなりしゃ)が、伏見稲荷大社と番号も意味も同じ御神籤として1番から32番までを紹介しており、そこに書かれた吉凶の呼び名を数えると17種類になります。紹介記事で「17種類」とも「32種類」とも言われるのは、呼び名の種類を数えるか、籤の番号を数えるかの違いです。「大大吉」や、字の上では凶のあとに大吉が続く「凶後大吉」など、ふだん見かけない結果が並びます。順位を単純に上下で決められないものも多く、吉と凶がまざった独特のお告げになっているのが特徴です。

吉凶がそもそも無いおみくじもある

種類の数だけでなく、吉凶そのものが無いおみくじもあると言われています。よく知られるのが東京の明治神宮で、そのおみくじは「大御心(おおみごころ)」と呼ばれ、大吉や凶といった運勢のしるしがありません。かわりに、御祭神である明治天皇の御製(ぎょせい・天皇が詠んだ和歌)と昭憲皇太后(しょうけんこうたいごう)の御歌(みうた)から選ばれた歌に、やさしい解説を添えたものが書かれていると伝えられます。

引いた人は、その歌と解説を今の自分への導きとして受け取るのだとされます。順位に正解が無いどころか、吉凶そのものが無い社もあるということです。おみくじで大切なのは吉凶の上下ではなく、そこに書かれた言葉の方だという考え方が、ここにもよくあらわれていると言えそうです。なお、お寺のなかには反対に凶の割合が高いことで知られる寺もあり、東京の浅草寺(せんそうじ)は、凶が多いと言われるのは「古来の“おみくじ”そのまま」だからだと、公式サイトで説明しています。

私は、おみくじで一番大事なのは大吉か凶かという結果ではなく、そこに書かれている言葉の方だと考えています。順番を気にする人は多いですが、そもそも神社によって並びが違い、どれが上かに、ただ一つの正解はありません。それなら、ほかの人の順位表を覚えるよりも、自分が引いた紙に書かれた一文を、これからどう暮らすかの手がかりとして持ち帰る方が、ずっと役に立つのではないかと思っています。

おみくじの歴史|元三大師から江戸の流行、そして今

ivory washi 背景に painterly な古い山寺の木造のお堂の情景と、手前に巻物状に丸めた古い籤の束と小さく折りたたまれた白いおみくじの積み重なり、平安時代のお堂にはじまり今に続くおみくじの歴史を象徴した画像

今ではおみくじというと神社のイメージが強いかもしれませんが、そのはじまりは仏教にあったと言われています。順番に見ていきましょう。

平安時代|元三大師のはじまり

今のおみくじの元になったのは、元三大師(がんざんだいし)良源(りょうげん)という平安時代のお坊さんが作ったものだと伝えられています。観音さまに祈って授かった百枚の漢詩が始まりとされ、「観音籤(かんのんくじ)」とも呼ばれます。

江戸時代|庶民に広まる

広く知られるようになったのは江戸時代のはじめだとされます。この頃に武士や貴族だけでなく、ふつうの人びとも楽しむ大衆の文化として定着したと言われています。

観音さまに祈って授かった百枚の詩

元三大師良源は、平安時代の天台宗(てんだいしゅう)のお坊さんです。観音さまに祈念して授かった、百枚の漢詩(元三大師百籤)がおみくじの原型だと伝えられています。おみくじが「観音籤」とも呼ばれるのはこのためだとされます。比叡山(ひえいざん)の横川(よかわ)にある元三大師堂は、今も「おみくじ発祥の地」として知られています。

元三大師のおみくじが江戸で広く知られるきっかけとしては、江戸時代のはじめの話が伝わっています。徳川家に仕えた天海(てんかい)というお坊さんの夢に元三大師があらわれ、信州(長野県)の戸隠(とがくし)にある観音籤で占うようにと告げました。そこで天海は戸隠からおみくじを取り寄せ、みずから開いた江戸・上野の寛永寺(かんえいじ)で用いた、と戸隠神社は伝えています。比叡山の元三大師堂の話とは別に、江戸の寛永寺を舞台にした言い伝えです。

じつは全国のおみくじの多くが山口県製

意外に知られていませんが、全国の神社やお寺で授与されるおみくじの、およそ6〜7割は山口県で作られていると言われています。作っているのは、山口県周南市(しゅうなんし)にある女子道社(じょしどうしゃ)という会社です。二所山田神社(にしょやまだじんじゃ)の神主だった宮本重胤(みやもとしげたね)が、明治39年(1906年)に始めたと伝えられます。

おもしろいのは、おみくじづくりが女性の自立を助ける活動の資金を作るために始まった、という点です。宮本重胤は女性の自立をめざす全国組織「大日本敬神婦人会」をつくり、その機関誌『女子道』を出す資金源として、おみくじの製造を始めたと周南市は紹介しています。会社の名前も、この機関誌の名前から来ていると言われています。

おみくじの引き方と項目の読み方

おみくじには、引くときのちょっとした心がけがあると言われています。むずかしい決まりではありませんが、知っておくと引き方が変わります。

大切だとされるのは、先にお参りをすませてから引くことです。神さまにあいさつをして、今の自分の状況や願いを心の中で伝えてから引くと、おみくじの言葉を神さまからのお返事として受け取りやすくなると言われています。手を清める作法から知りたい方は手水舎(てみずや)の作法もあわせてどうぞ。

「待ち人」は恋人のことだけではない

おみくじの項目でよく迷うのが「待ち人(まちびと)」です。恋愛の相手だと思っている方が多いかもしれませんが、辞典では「来るのを待たれている人」と説明される言葉で、恋人に限らず、会いたいと待ち望んでいる人全般を指します。旅に出た家族が無事に戻るのを待つ心から生まれた言葉だ、という由来もよく語られますが、これは辞典などで確かめられる説明ではなく、言い伝えの一つと受け取っておくのがよさそうです。今では、恋人だけでなく、自分の人生を良い方へ動かしてくれる人(恩師や仕事の相手など)を広く指すと考えられています。

結果より「本文」を持ち帰る

おみくじを読むときは、大吉や凶といった結果だけで一喜一憂せず、本文に書かれた言葉や、各項目の指針を落ち着いて読むことが大切だとされます。良い結果なら気をゆるめずに、思わしくない結果なら気をつけて過ごすように、というこれからの心がけを教えてくれるものだと考えられています。

引いたあとは結ぶ?持ち帰る?

ivory washi 背景に painterly なおみくじ掛けに結ばれた白いおみくじと、手帳に大切にしまわれたおみくじの対比、結ぶと持ち帰るの2つの扱いを象徴した画像

引いたおみくじを境内に結んで帰るか、持ち帰るかで迷う方は多いと思います。結論から言うと、どちらが正しいという決まりはありません。神社やお寺によって考え方もさまざまなので、自分の気持ちで選んでよいとされています。

結ぶ場合

木の枝や決められた結び所に結ぶのは、願いが「結ばれる」ように、神さま仏さまとの縁を結ぶという意味だと広く言われる。凶を結んで境内に置いていくことで、よくない運気をとどめて自分から離すという言い伝えもある。

持ち帰る場合

お守りのように大切に持ち歩き、ときどき読み返すのもよいとされる。迷ったときに読み返すと、前へ進む後押しになると言われる。持ち帰ったおみくじは、一年を目安に社寺へお返しする方法もある。

凶を利き手と逆の手で結ぶという俗説

凶を引いたとき、利き手と反対の手で結ぶと、凶が吉に転じるという言い伝えを聞いたことがあるかもしれません。これは、わざとやりにくいことをする=ひとつの修行をしたと見立てて、その努力によって運が開けるという考え方から来た俗説だとされます。全国で決まった作法ではありませんが、名古屋の万松寺(ばんしょうじ)のように、利き手とは逆の手で結ぶよう案内しているお寺もあります。凶を前向きに受け取るための工夫として語られてきたものです。

ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。この「逆の手で結ぶ」は、神社本庁が示すような全国共通の作法ではありません。日本各地の神社を束ねる神社本庁の公式サイトの案内を確認した範囲でも、おみくじの結び方については「境内の結び所に結んで帰る習わしもありますが、持ち帰っても差し支えありません」と案内されているだけで、利き手と逆の手で結べば凶が吉に変わる、といった説明は見当たりません。各地で語られてきた言い伝えとして受け取るのがよさそうです。いつ誰が言い出したのかは確かめられませんでしたが、やりにくいことをあえてやり遂げれば運が開ける、という前向きな受け取り方が、凶を引いた人の気持ちに合っていたのではないかと思います。守らないと罰があたるような作法ではないので、気持ちを切り替えるためのちょっとした工夫として楽しむくらいがちょうどよいのかもしれません。

結ぶか持ち帰るかにも決まりはありません。私は、凶が出たときこそ持ち帰ってもいいのではないかと考えています。結んで境内に置いてくると気持ちの上ではすっきりしますが、凶に書かれているのは多くの場合、いま気をつけた方がいいことです。それを財布や手帳に入れておいて、ときどき読み返す方が、注意を思い出せて自分のためになる気がします。

まとめ|順位より、書かれた言葉を大切に

おみくじについて、大切なポイントを振り返ります。

この記事のまとめ
  • おみくじは吉凶より、書かれた言葉と各項目の導きを読むもの
  • 順番は神社ごとに違い、「吉」の位置も社によって変わる。全国そろいの正解はない
  • 伏見稲荷大社のように32番のおみくじに17種の吉凶が並ぶ社があるなど、種類の数も社によって大きく違う
  • 起源は平安時代の元三大師、庶民に広まったのは江戸時代のはじめ
  • 結ぶ・持ち帰るに決まりはなく、自分の気持ちで選んでよい

次におみくじを引くときは、大吉か凶かだけでなく、そこに書かれた言葉をゆっくり読んでみてください。順位にただ一つの正解がないと分かれば、結果に振り回されず、自分への言葉として受け取れるはずです。参拝の流れは神社参拝の作法ガイド、引く前の清めは手水舎の作法もあわせて知っておくと、境内での過ごし方がいっそう深まります。

よくある質問

おみくじの順番で、中吉と小吉はどちらが上ですか?

神社本庁が一例として紹介している並びでは、上から順に大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶とされ、中吉のほうが小吉より上にあたります。「吉」を中吉・小吉より下に置く社でも、中吉が小吉より上である点は同じです。ただし順番は神社やお寺によって違います。全国そろいの決まりはないため、気になる場合は引いた社寺にたずねるのが確実です。

おみくじで凶が出たら、吉が出るまで引き直してもいいですか?

何度も引いてはいけないという厳格な決まりはない、と説明する神社もあります。ただ、吉が出るまで引き直すのは、おみくじ本来の意味からは少し外れてしまいます。おみくじは結果を変えるために引くものではなく、今の自分に向けられた言葉を受け取るものだと考えられているからです。神社本庁も、大切なのは吉凶よりも書かれている内容を今後の生活指針にすることだとしています。凶が出ても、そこに書かれた注意やアドバイスを受け止める方が、引き直すよりも自分のためになるはずです。

おみくじは結ぶのと持ち帰るの、どちらが正しいですか?

どちらが正しいという決まりはありません。木や結び所に結ぶのは、願いが結ばれるように神さま仏さまとの縁を結ぶ意味があると言われ、凶をとどめて自分から離すという言い伝えもあります。一方で、お守りのように持ち帰り、ときどき読み返すのもよいとされます。自分の気持ちで選んでよいものだと考えられています。

おみくじの「待ち人」は恋人のことですか?

恋人だと思っている方が多いかもしれませんが、辞典では「来るのを待たれている人」と説明され、恋人に限らず会いたいと待ち望んでいる人全般を指す言葉です。最近の解説では、恋人だけでなく人生の転機になる人まで含めて読むこともあります。

参考文献

参考文献

一次資料・公的情報

補助参考(確認の入口として参照し、本記事の根拠としては用いていません)

  • Wikipedia「おみくじ」(内容確認の入口として参照)

本記事は、社寺の公式情報やおみくじの由来に関する資料をもとに、おみくじの順番・意味・歴史・作法をあやとき編集部が独自に整理したものです。おみくじの種類や順番、扱い方には社寺ごとの違いがあるため、実際に引く際は各社寺の案内もあわせてご確認ください。

※ 本記事の画像はChatGPT 等の生成AIによる象徴的なイメージ画像です。実際の景観とは異なる場合があります。詳細は免責事項をご覧ください。

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この記事を書いた人

あやとき編集部は、40代の編集メンバーで運営しています。子を持つ親としても、一人の人間としても、暮らしに息づく神社との関わりを大切にしながら、全国の神社文化を丁寧に読み解いていきます。

神道や神社の奥深さを、専門用語に頼らず、どなたにも分かりやすい言葉でお届けします。読者の方と同じ目線で、共に学んでいく姿勢を基本としています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

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