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出雲大社の参拝方法|四拍手の理由と回る順番を公式の言葉で確かめる

晴れた晩秋の朝、石畳の参道の先に立つ緑がかった青銅色の鳥居を描いた絵。反りのある笠木と2本の柱をもつ鳥居で、額は無地。両側から古い黒松の枝がかかり、奥は淡い青空と木々の緑。左上にタイトル「出雲大社の参拝方法」を横一行で配したアイキャッチ画像

「お参りする場所が、ガイドブックでは14か所、ネットでは6か所。どれが正しいのでしょうか」。Yahoo!知恵袋で、出雲大社へ初めて行く人のこんな質問を見かけました。サイトによって書いてあることが違うので、正式なルールを知りたい、という声もあります。

そこで出雲大社の公式サイトを読んでみると、お参りの順番について公式FAQが答えていることは、思っていたよりずっと少ないことが分かりました。この記事では、出雲大社の公式FAQとお知らせ、観光庁の解説文、観光協会の案内を、出どころごとに分けて並べます。どこまでが公式の決まりで、どこからが案内や言い伝えなのかを、順番に確かめていきます。

この記事で分かること
  • 出雲大社のお参りは二礼四拍手一礼で、4回の理由は公式FAQに書かれていること
  • 公式FAQがお参りの順番として書いているのは「八足門で御本殿をお参りする」「瑞垣を左回りに進む」の二つで、何か所寄るかは示されていないこと
  • 「出雲大社のタブー」には、公式が否定した話・公式の決まり・公式の資料に見当たらない話が混ざっていること
目次

出雲大社のお参りは二礼四拍手一礼

先に結論からお伝えします。出雲大社の正式なお参りの作法は「二礼四拍手一礼」で、拍手(かしわで)を4回打ちます。公式FAQは、一般的な神社では「2礼2拍手1礼」だが、出雲大社の正式な参拝作法は「2礼4拍手1礼」だと書いています。

明るい和紙の上に上下2本の細い墨線があり、上の線には淡い金色の点が8つ、下の線には朱の点が4つ、左寄せで等間隔に並ぶ図。下の4つは上の8つの左半分の真下にそろい、例祭の8回の拍手の半分がふだんの4回であることを示す

お参りの手順

手順そのものはかんたんです。ほかの神社での二礼二拍手一礼と比べると、拍手の数だけが違います。

STEP
STEP 01

神前に向かって、深いお辞儀を2回します。

STEP
STEP 02

胸の前で手を合わせ、拍手を4回打ちます。

STEP
STEP 03

手を合わせたままお祈りをしてから、最後にもう一度深いお辞儀をします。

公式FAQが決めているのは、2回の礼、4回の拍手、1回の礼という回数と順番です。上の手順のお辞儀の深さや手の合わせ方は、一般的な拝礼の目安として書きました。一つひとつの動きの意味は『二礼二拍手一礼の正しいやり方』でくわしくまとめています。

なぜ4回打つのか

4回の理由も、公式FAQに書かれています。要点をまとめると次のとおりです。

  • 出雲大社でいちばん大きなお祭りは、5月14日の例祭(勅祭)で、このときは8回拍手を打つ
  • 「8」は古くから無限を意味する数で、8回の拍手は、神さまを限りない拍手でたたえる作法
  • 8回は年に一度の例祭のときだけで、ふだんはその半分の4回でたたえる

そして公式FAQは、8回でも4回でも「お祈りお讃えするお心に差はありません」と結んでいます。例祭(れいさい)は、その神社が毎年決まった日に行う、いちばん中心となるお祭りのことです。勅祭(ちょくさい)は天皇のお使い(勅使)が遣わされて行われるお祭りで、辞典類も、出雲大社の例祭には勅使が参向すると書いています。観光庁の多言語解説文データベースも、四拍手はほかの神社の2倍で、お祭りによっては神職が8回打つこともあると説明しています。

御本殿以外の社殿も同じ作法

公式FAQは、御本殿以外の社殿をお参りするときも、この作法でお参りするよう案内しています。順番の答えの中にも「拝礼作法は、すべて『2礼4拍手1礼』」とあります。FAQは社殿の名前までは挙げていませんが、十九社や素鵞社もこの「御本殿以外の社殿」にあたると読めるので、これらのお社でも同じ二礼四拍手一礼でお参りしてよいはずです。

四拍手でお参りする神社はほかにもある

四拍手は、出雲大社だけの作法ではありません。nippon.com の解説記事「神社に行こう! 神社空間を読み解く⑦拝殿」は、出雲大社と宇佐神宮(うさじんぐう)を四拍手の神社として挙げています。新潟県の彌彦神社(やひこじんじゃ)も、公式サイトの「ご参拝」のページで、拍手を四度打つ「二礼四拍手一礼」を作法として案内しています。

ただ、公式の書き方は神社によって違います。彌彦神社は、四拍手についての詳細は不明だが、より丁重に神さまを拝む心を表す作法として代々の神職が伝えてきたもの、と書き、「『二礼二拍手一礼』の作法にて参拝されても結構です」と添えています。出雲大社の公式FAQは、4回の理由を「年に一度の例祭の8回の半分」と説明していて、2回でお参りした場合のことには触れていません。同じ四拍手でも、彌彦神社と出雲大社では、理由の説明や二拍手の扱いが違います。なので、彌彦神社の案内を出雲大社に当てはめることはできません。

四拍手の神社をいくつか回る旅なら、出かける前にそれぞれの公式サイトで作法を見ておくと、現地で迷わずに済みます。各地の神社の作法の違いは『二礼二拍手一礼の正しいやり方』でも比べています。

公式FAQが答えているお参りの順番は二つだけ

では、境内をどの順で回ればよいのでしょうか。公式FAQには「御本殿周辺にもいろいろ御社殿がありますが、どのようにお参りすれば良いですか?」という質問があり、答えはこうなっています。

まず、御本殿前の八足門(やつあしもん)にて御本殿をお参りいただき、御本殿周辺の垣(瑞垣―みずがき)を左回り(時計と反対回り)に進んでいただき、各御社殿をお参り下さい。

出雲大社 公式FAQ
明るい和紙の上に真上から見た簡素な図。角を丸めた横長の垣の中に小さな四角があり、垣の下辺の中央に門の印がある。門の下から朱の点線が垣の外側を右・上・左・下の順に時計と反対回りに一周し、右辺と上辺に向きを示す矢じりがある

私はこの答えを読んで、思っていたよりずっと短いことに驚きました。順番についてこの答えが書いているのは、次の二つです。

  • まず、八足門の前で御本殿をお参りする
  • そのあと、御本殿を囲む瑞垣(みずがき)のまわりを左回り(時計と反対回り)に進み、各社殿をお参りする

順番の部分は「各御社殿をお参り下さい」で結ばれていて(このあとに拝礼作法の一文が続きます)、社殿の数や、寄るお社の名前までは挙げていません。ガイドブックや観光サイトは、それぞれが取り上げる場所を選んで数えているので、紹介される数にも差が出てくるのだと思います。

公式の答えに拝殿が出てこない点も気になりました。ただ、観光庁の解説文は、参拝者は通常は拝殿でお参りしてから御本殿へ進む、と書いています。御本殿まわりのお参りの順番として、公式FAQが「まず」挙げているのは八足門です。次の節では、正門から八足門までの道のりを、この解説文と観光協会の案内で見ていきます。

正門の勢溜から八足門まで

ここからは、公式FAQの順番の答えには出てこない道のりです。観光庁の多言語解説文データベース(以下、観光庁の解説文)と出雲観光協会の案内をもとに並べます。出雲観光協会はこの道のりを「正門からの正式な参拝方法」として紹介していますが、公式FAQが順番として書いているのは、八足門と瑞垣の左回りまでです。出どころを添えて並べます。

晴れた晩秋の朝の松の参道を奥へ見通した絵。左右に古い黒松の並木が続き、並木の間の中央は太い松の根が地表に見える土の地面で、歩く道は並木の外側の両脇に明るい砂利の道として奥へ延びている。奥はやわらかな朝の光で明るい
  • 宇迦橋(うがばし)の大鳥居: 神門通りの入口に立つ白い大鳥居で、出雲観光協会は「一の鳥居」と呼んでいます。観光庁の解説文によると、1915年に大正天皇の即位を記念して建てられたもので、高さは23メートルあります
  • 勢溜(せいだまり)の鳥居: 観光庁の解説文は、大鳥居の先にあるこの鳥居を出雲大社の正式な入口としています(「勢溜」の名前は辞典類と出雲観光協会による)。くぐると、めずらしい下り坂の参道が始まります
  • 祓社(はらえのやしろ): 参道の右手にある小さなお社です。出雲大社の公式サイトの摂末社の案内は、祓戸四柱の神(はらえどよはしらのかみ)をお祀りし、参拝する人は「まずここで身心を祓い清めて」いただく、と書いています
  • 松の参道: 素鵞川(そががわ)の橋を渡って鳥居をくぐると、松並木が続きます。観光庁の解説文は、参道の中央は神さまのための場所なので、参拝者は真ん中を避けるよう注意が必要だと書いています
  • 手水舎: 出雲観光協会の案内では、ここで手と口を清めてから境内に入ります
  • 銅鳥居(どうのとりい): 境内の入口に立つ青銅の鳥居です。観光庁の解説文によると1666年に建てられ、毛利綱廣(もうりつなひろ)が奉納したもので、現存する日本最古の青銅鳥居の一つです
  • 拝殿: 参拝者は通常、ここでお参りしてから御本殿へ進みます(観光庁の解説文)。御本殿まわりの順番として公式FAQが「まず」挙げるのは、八足門です

拝殿の後ろに回ると、御本殿の前に八足門があります。ここが、公式FAQのいう「まず」お参りする場所です。

松の参道の真ん中を歩かない理由

松の参道の中央については、出雲観光協会がもう少しくわしく書いています。参道は中央と両側の三つに分かれていて、中央は神さまの通り道とされ、昔は神職や皇族の方しか通れなかったそうです。今は松の根を守るために中央は通れないので、端を歩きます。公式FAQによると、参道の松並木が整えられたのは江戸時代の初めで、古い木は推定350年から400年になるそうです。

中央を避けるのは、神さまの通り道とされてきたことと、古い松の根を守るためです。鳥居や参道の真ん中を避ける一般的な作法は、『鳥居のくぐり方』でまとめています。

拝殿の注連縄は、ほかの神社と左右が逆

拝殿では、注連縄(しめなわ)も見ておきたいところです。公式FAQによると、拝殿の注連縄は長さ6.5メートル、重さ1トンあります。同じFAQによると、一般的な神社では神さまに向かって右(参拝する人から見て右)を上位とし、上位の右が綯い始め(ないはじめ)になります。ところが出雲大社は古くから、神さまに向かって左のほうを上位にしてきました。そのため注連縄も、綯い始めと綯い終わりの向きが一般的な神社とは逆です。注連縄そのものの意味は『注連縄はなぜ神域のしるしなのか』で扱っています。

八足門のあと、瑞垣を左回りに歩く

八足門は、御本殿を囲む垣の入口にある門です。観光庁の解説文によると、八足門から先に入れるのは、神職と、神事などで特別なお祈りをする人だけです。ふだん、一般の参拝者は八足門の前に立って御本殿をお参りします。

お参りを終えたら、公式FAQのとおり瑞垣を左回りに進みます。時計と反対回りなので、八足門の前で御本殿に向かって立ったときの右手、東側へ歩き出し、御本殿の裏の北側、そして西側を通って戻ってくる形になります。

十九社と素鵞社

御本殿の東と西には、十九社(じゅうくしゃ)という細長い建物があります。観光庁の解説文は、旧暦10月の神在祭に出雲へやって来る神々の宿だと説明しています。神在祭については『神在月とは』でくわしく書きました。

御本殿の裏、八雲山(やくもやま)のふもとにあるのが素鵞社(そがのやしろ)です。公式FAQは、瑞垣の外、御本殿の後ろの八雲山のすそに建つお社だと書いています。お祀りされているのは須佐之男命(すさのおのみこと)で(観光庁の解説文)、公式FAQによると大国主大神の妻、須勢理比売神(すせりびめのかみ)の父神にあたります。須佐之男命の神話は『スサノオとヤマタノオロチ』をどうぞ。

西側から拝むと、神さまと向かい合う

瑞垣の西側には、お賽銭箱が置かれた遙拝所(ようはいしょ)のような場所があります。観光庁の解説文によると、御本殿の中で大国主大神をお祀りする内陣は西を向いているので、ここで拝むと神さまと向かい合うことになります。世界大百科事典によると、御本殿の正面は南を向いていて、神さまの御座は西を向く造りになっています。

観光庁の解説文は、八足門でお参りしたあと西側へ回る人もいる、という書き方をしています。西側で拝むことを公式FAQが求めているわけではありませんが、瑞垣を左回りに歩けば自然と通る場所です。御本殿の中がどんな造りになっているかは『大社造とは』で、柱や御神座の配置とあわせて説明しています。

御本殿の裏側は午後4時30分(16時30分)まで

公式のお知らせによると、御本殿より裏側の区域は、警備の都合で午後4時30分に閉じられます。素鵞社にお参りしたい人は、早めに瑞垣のまわりを回っておきましょう。

素鵞社のお砂は、稲佐の浜の砂を先に供える

素鵞社といえば「お砂」を思い浮かべる人も多いと思います。公式FAQによると、素鵞社の床縁(ゆかえん)の下の砂をいただいて帰り、御守にしたり、屋敷の土地や田畑にまいて清め、神さまのご加護をいただいたりする信仰が古くからあるそうです。

左右2つに分けた絵。左は朝の砂浜の波打ち際で白い砂と穏やかな波、右は素木の小さな社殿の高い床の縁の下に細かな砂が見える近景。左から右へ細い金色の線が流れ、稲佐の浜の砂を先に取って素鵞社に供える順番を示す

ただし公式FAQは、「ただいただいて帰るだけではいけません」と書いています。順番は次のとおりです。

  • 日本海に面した稲佐の浜(いなさのはま、出雲大社から西へ約800メートル)で、浜辺の砂をかき取る
  • 素鵞社にお参りし、持ってきた砂を床縁の下に置いてお供えする
  • それから、もとからある御砂をいただいて帰る

公式FAQの手順では浜の砂を先に供えるので、先に稲佐の浜へ寄っておく必要があります。公式FAQは稲佐の浜を「出雲大社より西へ約800メートル」と案内していて、出雲観光協会は出雲大社から歩いて15分(約1.2キロ)としています。お砂をいただきたい人は、稲佐の浜を先に回る計画にしておくと安心です。

持ち帰った砂の置き場所に決まりはある?

知恵袋には「アパートで砂をまく場所がない。部屋に置いておくだけではだめか」という質問もありました。公式FAQに書かれているのは、御守にしたり、屋敷の土地や田畑にまいたりする信仰がある、というところまでです。どれくらいの量をいただくか、家のどこに置くかといった決まりは、公式FAQには書かれていません。この記事でも、置き方を一つに決めることはしません。気になる場合は、出雲大社の社務所に聞いてみるのがいちばん確かです。

お砂の売り買いは禁止されている

出雲大社は「境内における禁止事項」のページで、素鵞社のお砂の代理販売や代行サービスといった商売、販売促進などの営利目的や景品としての使用を禁止しています。フリマアプリやオークションサイトへの出品も、一切禁止です。公式FAQが案内しているのは、浜の砂を供えてから御砂をいただく手順です。

「同じ量と交換」は旅行ガイドの言い方

お砂の準備で気になるのが、稲佐の浜でどれくらいの砂を取ればよいか、という点です。星野リゾートの旅のガイドは、浜の砂を供えれば「代わりに同じ分量の砂をいただける」と書いています。観光庁の解説文の一つ(神在祭)にも、参拝者は「同量の砂」を持ち帰る、とあります。

ところが、出雲大社の公式FAQを読み直しても、砂の量や、同じ量と交換するという決まりは出てきません。公式FAQが書いているのは、稲佐の浜の砂を床縁の下に供えてから、もとからある御砂をいただくという順番と、御守にしたり、屋敷の土地や田畑にまいて清め、神さまのご加護をいただいたりする信仰が古くからある、というところまでです。ガイドの説明が正しいかどうかは、確かめた公式の資料からは判断できません。公式の言葉とガイドの言葉は分けておくと、準備のときに迷いが減ります。今回確かめた範囲で、次のように分けてみました。

お砂の話を見かけたときの見分け方

出雲大社の公式FAQ・お知らせ・禁止事項に書かれていること

  • 御砂を持ち帰れるのは素鵞社
  • 稲佐の浜の砂を先に供えてから、もとからある御砂をいただく
  • 御守にしたり、屋敷の土地や田畑にまいて清め、ご加護をいただく信仰が古くからある
  • 素鵞社でお砂をいただくのは午後4時30分まで
  • お砂の売り買い・代行・フリマアプリへの出品は禁止

今回確かめた公式の資料には見当たらないこと

  • 浜の砂といただく砂の量
  • 砂を入れる袋や容器
  • 家の中に置く場合の置き場所

旅行ガイドやSNSでお砂の話を読んだら、その内容がどちらに入るかを一度見てみてください。下のグループの話は、旅行ガイドや観光庁の解説文といった案内する側の説明で、今回読んだ出雲大社の公式資料には出てきません。量については、この記事でも数字を決めることはしません。

「出雲大社のタブー」を公式の資料で三つに分ける

2026年10月6日に「出雲大社 参拝 タブー」で検索すると、やってはいけないことを6つ、8つと並べた記事が上位に見られました(検索結果は日や環境で変わります)。見比べてみると、公式がはっきり否定している話と、公式の資料に見当たらない話が、同じ「タブー」としてまとめられていました。そこで、出雲大社の公式サイトの書き方をもとに、三つに分けてみます。

分け方よく見る話公式の資料に書かれていること
公式が否定した話銅鳥居を触りながら回ると金まわりが良くなるおもしろく案内しようとする創作で、出雲大社に古くからある信仰ではない(公式FAQ)
公式が否定した話注連縄にお賽銭を投げて、刺さると縁起が良い神さまに対して失礼にあたる行為で、縁起が良いことではない(公式FAQ)
公式が否定した話お賽銭は5円・25円・45円・500円が良いまったく根拠のない語呂合わせにすぎない(公式FAQ)
公式の決まりお砂の売り買い・代行・出品禁止(境内における禁止事項)
公式の決まりドローン・スマートグラス・位置情報ゲームアプリ使用禁止(禁止事項・お知らせ)
公式の決まり安全基準(PSE)を満たさないバッテリーを内蔵した製品境内への持ち込みと使用を禁止(お知らせ)
公式の決まりペットを連れてのお参り瑞垣の内側、拝殿・神楽殿、宝物殿などの建物の中へは入れない(公式FAQ)
公式の資料に見当たらない話宇迦橋の大鳥居をくぐらずにお参りするのはタブー/二礼二拍手一礼でお参りするのはタブー今回確かめた公式FAQ・禁止事項・お知らせには、どちらも見当たらない

表の上の三つは、公式FAQが名指しで退けている話です。お賽銭の語呂合わせについて公式FAQは、大切なのは神さまに真剣な気持ちでお祈りすることで、祈りの心はお賽銭の金額で左右されるものではないと書いています。注連縄にお賽銭を投げ入れること自体を、公式FAQは神さまに失礼な行為だとしています。そのため「刺さると縁起が良い」という話も退けられていて、投げずにお参りするのが公式の考えに沿った参拝です。お賽銭の意味と歴史は『お賽銭の意味と金額』でまとめています。

いちばん下の行は、公式の資料に見当たらなかった、というだけの話です。この記事では、正しいとも間違っているとも言いません。ただ、公式が否定している話と同じ重さで「タブー」と言われていたら、少し立ち止まって出どころを確かめてみてください。

なおスマートフォンについて、公式FAQは、安全基準を満たした通常のスマートフォンなら、これまでどおり持ち込んで写真撮影などに使ってよいと答えています。境内でモバイルバッテリーをつないで充電することは控えるよう書かれています。

縁結びの「縁」は男女の縁だけではない

出雲大社は縁結びの神社として知られています。ただ、公式FAQはその「縁」を、単に男女のご縁だけではなく、人々を取り巻くあらゆるつながりのご縁だと説明しています。公式サイトの「出雲大社と大国主大神」のページも、生きとし生けるものが共に豊かに栄えていくための結びつきだと書いています。観光庁の解説文にも、縁結びというと恋愛や結婚のイメージが強いが、その意味はもっと広い、とあります。

もう一つ、意外に知られていないことがあります。公式FAQによると、大国主大神と「だいこくさま」は同じ神さまですが、七福神の大黒天とは、正確には別の神さまです。大国主大神の神話は『大国主とは何か』で読めます。

神在月の出雲大社は、神在祭のお参りで混み合います。いつごろ何が行われるのかは『神在月とは』にまとめました。

参拝の時間と、行く前に知っておく決まり

最後に、時間の決まりです。出雲大社のお知らせ「参拝時間等について」(令和8年5月3日)によると、次のとおりです(2026年10月6日に確認)。

  • 参拝時間: 午前6時から午後7時まで
  • 御本殿より裏側の区域: 午後4時30分に閉鎖。素鵞社でお砂をいただく人も午後4時30分まで
  • 午後7時以降: 御垣内が閉じられるので、銅鳥居の前からのお参り
  • 御札・御守・御朱印: 午前8時30分から午後4時30分まで(午前6時30分から8時30分までと、午後4時30分から7時までは臨時窓口)
  • ご祈祷: 午前9時15分から午後4時30分まで、45分おき(受付は午前8時40分から午後4時まで)

じつは公式FAQのページには、ご祈祷を「午前9時~午後4時」とする書き方があり、お知らせの時間と食い違っています。時間が食い違ったときは、新しいほうのお知らせを目安にし、出かける前に公式サイトで確かめてください。

服装についても調べましたが、公式サイトのよくあるご質問・お知らせ・禁止事項の3つには、出雲大社に限った決まりは書かれていませんでした(全ページを見たわけではありません)。ほかの神社と同じ考え方でよいので、『神社参拝の服装と気をつけたい所作』を参考にしてください。

よくある質問

出雲大社の正式な読み方は?

公式FAQによると、一般には「いづもたいしゃ」と呼ばれていますが、正式には「いづもおおやしろ」です。観光庁の解説文によると、明治4年(1871年)に「杵築大社」から「出雲大社」に名前が改められました。

二礼二拍手一礼でお参りしてしまいました。失礼でしたか?

公式FAQは、出雲大社の正式な作法を二礼四拍手一礼と案内し、年に一度の8回の拍手とふだんの4回の拍手について、お祈りしお讃えする心に差はない、と書いています。拍手2回でお参りした場合をどう考えるかは、今回確かめた公式の資料には書かれていませんでした。この記事では推測で答えず、気になる場合は出雲大社の社務所に問い合わせることをおすすめします。次にお参りするときは、4回打ってみてください。

お正月に楼門の前まで入れるのはいつまでですか?

ふだんは八足門の前までですが、お正月には八足門が開いて、その奥の楼門(ろうもん)の前まで入れる期間があります。ただ、その期間は資料によって書き方が違いました。出雲観光協会は「正月五カ日」、しまね観光ナビは「正月三が日」、NIPPONIA出雲は「1月1日〜1月5日」としています。今回確かめた出雲大社の公式サイトのページ(よくあるご質問・お知らせ5件・令和8年の祭日表)では、この期間の記述を見つけられませんでした。お正月に行く予定の人は、出雲大社に直接確かめてから出かけてください。

まとめ

この記事で確かめたことを、要点だけ並べておきます。

  • 出雲大社の正式な作法は二礼四拍手一礼。5月14日の例祭の8回の半分が4回で、心に差はないと公式FAQは書いている
  • 公式FAQが書いている順番は「八足門で御本殿をお参りする」「瑞垣を左回りに進む」の二つ。回る場所の数は示されていない
  • 勢溜から祓社、松の参道、銅鳥居、拝殿をへて八足門へ進むのは、観光庁と観光協会の案内(祓社で先に祓い清めることは公式サイトの摂末社の案内にもある)
  • 御本殿の内陣は西を向いていて、西側から拝むと神さまと向かい合う
  • 素鵞社のお砂は、稲佐の浜の砂を先に供えてからいただく。裏側の区域は午後4時30分に閉まり、お砂の売り買いは禁止
  • 「タブー」には、公式が否定した話・公式の決まり・公式の資料に見当たらない話が混ざっている

公式FAQが答えている順番は少ないので、あとは自分のペースで回れば十分だと私は思います。あなたが出雲大社へ行く前に、稲佐の浜へ寄る時間と、午後4時30分までに御本殿の裏へ回れるかだけは、地図で確かめておいてはどうでしょうか。

参考文献

公式資料(神社・公的機関)

辞典

補助参考(観光協会・観光サイト・読者の疑問)

本記事は、2026年10月に出雲大社の公式サイト(よくあるご質問・お知らせ・禁止事項)と観光庁の多言語解説文データベース、辞典類、出雲観光協会と島根県観光連盟などの案内を確認し、出雲大社のお参りの作法と順番を、公式の決まりと案内に分けて本記事独自に整理したものです。参拝時間や境内の決まりは変わることがあるため、お出かけの際は出雲大社の最新の案内をご確認ください。

※ 本記事の画像はChatGPT 等の生成AIによる象徴的なイメージ画像です。実際の景観とは異なる場合があります。詳細は免責事項をご覧ください。

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この記事を書いた人

あやとき編集部は、40代の編集メンバーで運営しています。子を持つ親としても、一人の人間としても、暮らしに息づく神社との関わりを大切にしながら、全国の神社文化を丁寧に読み解いていきます。

神道や神社の奥深さを、専門用語に頼らず、どなたにも分かりやすい言葉でお届けします。読者の方と同じ目線で、共に学んでいく姿勢を基本としています。詳しくは運営者情報をご覧ください。

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